国際コンテナx国内貨物輸送の必要性
全世界のコンテナ取扱本数は約 8.5億本
その陸上のほぼ全量が片荷輸送(=空コンテナ)
NPO ESCOTは1997年からこの課題解決に取り組んできました。
解決策として輸出入、拠点間の過不足調整で必ず発生する空コンテナ回送情報の配信事業を開始しました。
内貨転用プラットフォーム「Kashikari Inland」https://kashikari.rent/inland-empty/
内貨転用(ないかてんよう)とは?
- 輸出入に伴い必ず発生する空コンテナの陸上回送を対象とする
- 空回送という既定の移動を前提にする
- その回送に国内貨物輸送を組み合わせる
- 実入り輸送へ転換し、物流効率を向上させる
- CO₂排出・コスト・ドライバー負担を削減する
- 空コンテナの「貸し借り」ではなく、物流最適化の手法
世界中でのコンテナ輸送共通課題=片荷輸送

輸入後の港返却、輸出前の空コンテナ引き取り。
輸出入物流では、実入り貨物を伴わない空コンテナ移動が必ず発生します。
これらの移動は、
- 燃料消費
- ドライバー負担
- CO₂排出
- 物流コスト増
といった社会的・経済的ロスを生み出しています。
しかしこの問題は、個社努力だけでは解決が困難な構造的課題です。
世界の海上コンテナ取扱量(概算)
- 世界全体の年間コンテナ取扱量:約 8,5418万 TEU(約8.5億 TEU)
世界と日本のコンテナ取扱数と推移(概算)
世界全体で約8.5億 TEUもの海上コンテナがほぼ片荷輸送されています。
| 指標 | 数値 | 備考 |
| 世界全体 | 約 850 million TEU | 世界の全港湾合計(2022/23) |
| 日本全体 | 約 22 million TEU | 2023〜2024年水準(外貿+内貿) |
| 比率 | 約 2.6% | 日本の取扱量 ÷ 世界合計(概算) |
TEU(Twenty-foot Equivalent Unit)とは 20フィートコンテナ換算での取扱量指標です。

Kashikari Inlandの目的と考え方
貿易に欠かすことの出来ないが未利用輸送スペースの有効活用サイトの構築です。
Kashikari Inlandは、この空コンテナ回送に国内貨物輸送ニーズを組み合わせることで、物流全体の最適化を図ります。
内貨転用=必ず動く空コンテナ回送 × 国内貨物輸送のマッチング
仕組み(概要)
- 輸出入に伴い発生する空コンテナ移動情報
- 国内貨物の輸送ニーズ
- 返却期限・ルート・制約条件の整理
- 条件に合致する組み合わせを調整・提案
Kashikari Inlandは、特定事業者に偏らない中立的な調整役として運用されます。
対象とする利用者
この取り組みは、物流に関わる皆さまのためのものです。
- 運送事業者
- フォワーダー・海貨業者
- 国内荷主・輸出入荷主
- 港湾・内陸物流拠点
- 自治体・研究機関
登録画面:https://kashikari.rent/inland-empty-new/

※ 効果指標は実証・PoCを通じて定量化していきます。
①内貨転用の法的根拠とQ&A
法的根拠について
本サービスにおける「内貨転用(復路利用)」は、
「コンテナーに関する通関条約(1972年)」第9条に基づき実施されています。
同条約では、国際輸送に用いられ**一時輸入(temporary admission)されたコンテナについて、
締約国内における国内輸送(internal traffic)**への使用を、一定の条件のもとで認めています。
これにより、輸入後に空となる海上コンテナを、
同一国内で発生する貨物輸送(内貨輸送)に活用することが可能となります。
制度のポイント
- 国際輸送後の海上コンテナを、関税・輸入税を課すことなく国内輸送に使用可能
- 条約で定められた条件を満たすことを前提に、復路での有効活用が認められる
- 空コンテナ回送の削減、物流効率化、CO₂排出削減に資する国際的に承認された制度
※ 実際の運用にあたっては、税関手続、道路運送法、車両制限令等の国内法令の遵守が必要です。
② Q&A|違法にならない条件/できないケース
Q1. 海上コンテナを国内輸送に使うことは違法ではないのですか?
A. 条件を満たせば違法ではありません。
「コンテナーに関する通関条約(1972年)第9条」により、
一時輸入されたコンテナの**国内輸送での使用(internal traffic)**は、
締約国において明確に認められています。
Q2. 違法にならないための主な条件は何ですか?
A. 主に以下の条件を満たす必要があります。
- コンテナが一時輸入扱いであること
- 所定の期間内に**再輸出(港への返却等)**されること
- 税関、道路交通、運送事業に関する国内法令を遵守していること
Q3. どのような場合に「できない」「違法になる」可能性がありますか?
A. 次のようなケースでは認められません。
- コンテナを国内で販売・譲渡・長期保管する場合
- 再輸出の意思がなく、事実上国内流通資産として使用する場合
- 車両制限・運送許可等の国内法規に違反する運用
Q4. 内貨転用は「カボタージュ規制」に抵触しませんか?
A. 原則として抵触しません。
内貨転用はコンテナ(輸送用機器)の使用に関する制度であり、
輸送主体(運送事業者)やその国籍を問題とする
いわゆるカボタージュ(国内運送規制)とは制度上別次元です。
Q5. なぜ日本ではあまり使われてこなかったのですか?
A. 主な理由は以下です。
- 制度の存在が十分に周知されていなかった
- 空コンテナ回送が慣行として固定化していた
- 国内貨物と国際コンテナをマッチングする仕組みがなかった
kashikari.rent は、この「制度 × マッチング不在」のギャップを埋めるための仕組みです。
Q6. 行政・企業が導入するメリットは?
A.
- 輸送コスト・CO₂排出量の低減
- 港湾・内陸物流の双方の効率化
- サーキュラーエコノミー/GX政策との高い親和性
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補足資料(重要):
① 財務省税関の公式資料
免税コンテナーの税関手続変更(平成24年改正)
免税コンテナーの税関手続が平成24年4月から変わりました(税関リーフレット)
主な規制緩和内容
改正前 → 改正後
- 再輸出期限
- 3か月以内 → 1年以内に延長
- 空コンテナの国内運送利用
- 不可 → 制限なし
- 国内運送の経路制限
- 制限あり → 制限なし
- 国内運送の使用回数
- 1回のみ → 制限なし
- 事前申請
- 必要 → 不要
「輸入された免税コンテナを国内輸送に使う制約を大幅に撤廃」した制度改正です。
② 政策検討資料(税関・物流会議資料)
免税コンテナーの国内運送への使用に係る条件等の緩和
(神戸税関・物流戦略会議資料)
主な論点:
- 空コンテナの国内輸送利用を認める
- 国内輸送回数制限撤廃
- 国内輸送経路制限撤廃
- 事前申請廃止
- 再輸出期限延長(3ヶ月 → 1年)
これは産業界からの要望を受けて規制を緩めた検討資料です。
③ 制度の背景(なぜ規制緩和されたか)
- コンテナ回送の増大(空コン問題)
- 港湾競争力強化
- 国内物流効率化
当時、産業界から
- コンテナ回送コスト削減
- 国内物流への活用
を求める声が強く、免税コンテナの国内運送利用条件が緩和されたとされています。
④ 実務上の制約
例
- 船社または輸入荷主の協力(マーケティング戦略上の容認/許可/許容)
- フリータイム内返却
- コンテナ汚損責任
つまり制度上は緩和されたが、運用上は船社ルールが強い

