波動式湧昇ポンプの流量測定
流量計の防水強化機能を強化し、湧昇管内に取り付け実験室と海洋において流量計測を行った。
実験室測定概要:
直径約300㎜、高さ約1040㎜の水層に全長650㎜の実験用湧昇ポンプを上下変位170㎜で「引き上げ/落下」試験を100回x3セット行った。

水層サイズ:
内半径(mm) | 高さ(mm) | 水量(リットル) | |
水層 | 150 | 1030 | 72.76 |
実験用湧昇ポンプ:
湧昇ポンプ:VU100+VU200 | |
上部管内半径(mm) | 長さ(mm) |
50 | 360 |
接手部長さ(mm) | |
50 | |
下部管内半径(mm) | 長さ(mm) |
100 | 290 |
*上部管、下部管の長さ以外は実機と同じ。
まとめイラスト:

装置及び流量計画像:

計測結果:
湧昇量は理論値より15%程低い値となった。

海洋での測定概要:
全長1410㎜の湧昇ポンプを22㍑の丸ブイから吊るし35分間の湧昇量測定を行った。


波高、周期動画:

計測画像:
右側の計測バーによるおおよその波高を計測した結果、約10~15㎝の不規則波であった。



湧昇量:
約62m³/day
- 流量については湧昇管中心からのズレによる流量低下補正は行っていない。
- 波高は同港内としては最も低い(穏やか)ものであった。
- 周期の計測には今後、有効な解析法を検討する。
揚水量低下原因:
1.下部湧昇管を基準とし理論値を計算していたが上部湧昇管の断面積が1/4になる事による渦流抵抗
2.逆止弁を開く為の水圧抵抗
3.湧昇管内部壁との流水摩擦抵抗
4.流量計は半径100㎜の下部管の中心より44㎜壁側にずれた位置に装着したがハーゲン・ポアズイユの法則による流量補正は行わなかった。
揚水量改善、維持の為の対策:
1.逆止弁の軽量化と計斜角を調整
2.湧昇管内への生物着生を無くす。
3.全体の軽量化をはかり周期を短くする。
4.ブイ傾斜時の引き上げ効果を活用する。
5.角度勾配の少ない異径接手に変更する。
波動式湧昇装置の気候変動対策メカニズム ⇒ こちら
波動式湧昇ポンプ解説動画 ⇒ こちら
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