Container Logistics AIによる社会課題と温暖化対策

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Container Logistics AI(CLAI)について
1.海上コンテナ物流が抱える課題
海上コンテナ輸送では、荷主や物流担当者が案件ごとに運送会社、デポ、倉庫などへ問い合わせています。
確認が必要な事項も多岐にわたります。
- 20ft・40ftへの対応
- 輸入・輸出
- デバン・バンニング
- 空コンテナ保管
- 実入りコンテナ保管
- 保税対応
- CRU(Container Round Use)
- トラクターヘッドやシャーシの保有状況
- 船社指定デポ
- 配送可能地域
これらの情報は複数の企業に分散しているため、案件条件に合う会社や物流拠点を見つけるだけでも時間がかかります。
さらに、空コンテナの回送、ドライバー不足、港湾混雑、待機時間、CO₂排出などの課題は、個別企業だけでは解決が難しく、荷主、運送会社、倉庫、デポ、船社、港湾、地方自治体などの連携が必要です。
2.Container Logistics AIとは
Container Logistics AI(以下「CLAI」)は、国際海上コンテナの陸上輸送に必要な条件を入力すると、候補となる運送会社や物流拠点を提示するAIです。
CLAIは、NPO法人エスコットが保有する物流事業者情報と運用ルールを基に、OpenAIのChatGPT上に構築したコンテナ物流支援AIです。
例えば、次のように質問します。
東京港から栃木県佐野市へ40ft輸入コンテナを輸送したい。
デバン後は空コンテナを保管し、近隣からの輸出にも使用したい。
対応できる会社を3社提案してください。
AIは、登録された物流会社の情報と案件条件を照合し、候補会社と推薦理由を提示します。
また、会社や物流拠点を検索するだけでなく、空コンテナ回送削減、CRU、返却先の最適化、インランドデポの活用、資源循環など、案件に関連するGX手法やサービスの提案も目指しています。
3.Container Logistics AIの仕組み
CLAIの仕組みは、大きく5段階です。
① 物流条件の入力
出発港、配送先、輸出入、コンテナサイズ、保管、デバン・バンニング、保税、CRUなどの条件を入力します。
② 独自物流データベースとの照合
全国のドレージ会社、倉庫、インランドデポ、コンテナヤード、CRU対応事業者などの情報を確認します。
③ 物流ルールによる評価
単に所在地が近い会社を表示するのではなく、対応港、配送地域、設備、保管能力、保税、CRUなどの条件から案件との適合性を評価します。
④ GX案件・サービスとの照合
物流会社や拠点を選定した後、案件条件に応じて、空コン回送削減、返却先最適化、CRU、資源循環などのGX手法を検討します。
⑤ 推薦理由を付けて提示
候補会社の名称だけでなく、なぜ推薦したのか、どの条件が案件に適合するのかを説明します。
GX提案が可能な場合は、主なGX提案と、必要に応じて併せて検討できる候補を提示します。
4.AIが参照する主な情報
物流事業者・物流拠点に関する情報
- 会社所在地
- 対応港
- 配送対応地域
- 20ft・40ft対応
- トラクターヘッド数
- 20ft・40ftシャーシ数
- デバン設備
- バンニング設備
- 実入りコンテナ保管
- 空コンテナ保管
- 保税対応
- CRU対応
- 船社デポ契約
- 得意とする輸送案件
- 過去の対応実績
- AI推薦コメント
GX案件・サービスに関する情報
- GX分野
- 案件・サービス名
- 解決を目指す課題
- 適用条件
- 期待される効果
- 実施主体・関係先
- 運用状況・実証段階
- 必ず確認すべき条件や制約
- 相談・申込先
- 関連URL
- 根拠資料
- 最終確認日
ここが一般的なChatGPTとの大きな違いです。
CLAIは、公開情報だけでなく、実務に必要な物流事業者情報とGX案件・サービス情報を整理した専用データベースを使用します。
専用データベースは、次の役割に分けて管理します。
- 物流事業者データベース:対応できる会社・物流拠点を検索
- GX案件・サービスマスター:案件に適したGX手法・サービスを提案
- 物流AIルールブック:評価条件、推薦件数、回答方法、注意事項を管理
5.空コン回送を減らす考え方
一般的な輸入案件では、次の流れが発生します。
港
↓
輸入先
↓
デバン
↓
空コンテナ
↓
港へ返却
この最後の区間は、貨物を積んでいない空コンテナの回送です。
CLAIでは、デバン後の空コンテナについて、次の可能性を検討します。
- 内陸部で一時保管する
- 近隣の輸出荷主に利用する
- CRUを実施する
- インランドデポに返却する
- 船社がコンテナ在庫を必要とする港へ返却する
- 船社がコンテナを必要とする地方港やオフドックCYへ返却する
- 船社が空コンテナを海外へ積み出す港へ直接返却する
- 別の輸送案件や国内貨物輸送と組み合わせる
- 往復輸送や中継輸送に組み込む
これにより、港への単純な空コンテナ返却を減らせる可能性があります。
空コンテナ回送の削減は、次のような効果につながる可能性があります。
- トラックの走行距離削減
- 燃料使用量とCO₂排出量の削減
- ドライバーの拘束時間削減
- 港湾周辺の混雑緩和
- コンテナ在庫の地域間偏在の改善
- 輸入案件と輸出案件の接続
- インランドデポや地方物流拠点の活用
ただし、CRU、空コンテナの転用、返却先の変更には、船社、コンテナ所有者、荷主、運送会社、関係施設などの承認が必要です。
6.CLAIが扱うGX案件の例
CLAIでは、コンテナ物流に直接関係する案件だけでなく、物流現場の環境負荷、資源消費、作業負担の軽減につながるGX案件も登録対象とします。
主な例は次のとおりです。
- CRUによる空コンテナ回送削減
- 空コンテナ返却先の最適化
- インランドデポでの保管と近隣輸出への接続
- コンテナ過多拠点から不足拠点への在庫移動
- 空回送と国内貨物輸送の組合せ
- 中古パレットの再利用
- パレット廃棄削減と木材中のCO₂固定維持
- 固縛資材の使用量削減
- プッシュ型固縛法などによる作業負担軽減
- 小型ヘッドや特殊シャーシを活用した輸送効率化
- 物流資材・設備・保管場所などの遊休資源活用
- 輸送経路におけるヒアリその他の外来害虫対策
- ドライバー待機時間や港湾滞留時間の削減
CLAIは、登録されたGX案件の中から、物流条件との関係が明確なものを提案します。
7.おすすめのデモ
デモ1:基本的な会社検索
東京港から栃木県佐野市まで40ft輸入コンテナを運びたい。
デバン後の空コンテナを保管し、輸出にも利用できる会社を3社提案してください。
このデモでは、AIが単なる距離検索ではなく、保管、デバン、輸出利用まで考慮していることを示します。
デモ2:CRUを含む輸出案件
福島県から40ftコンテナで輸出したい。
CRUに対応できる運送会社または物流拠点を提案してください。
CRU対応会社が限られることや、港までの輸送方法も含めて検討する点を示します。
デモ3:空コン回送削減
東京港から茨城県坂東市へ輸入コンテナを輸送する。
デバン後の空コンテナを港へ返却せず、近隣輸出に利用する方法を提案してください。
このデモが、空コン回送削減というCLAIの特徴を最も分かりやすく示します。
デモ4:GX提案を含む案件検索
輸入コンテナのデバン後に空コンテナと中古パレットが発生します。
空コン回送とパレット廃棄を減らすGX提案をしてください。
物流会社の検索だけでなく、CRU、空コンテナ保管、近隣輸出への接続、中古パレット再利用などを組み合わせて検討する機能を示します。
デモ5:実案件を募集
参加者から、次の条件を聞き、その場でCLAIに入力します。
- 出発港
- 配送先
- 輸出または輸入
- 20ftまたは40ft
- 必要な作業
- 空コンテナ保管の有無
- CRUの必要性
- 現在発生している物流上・環境上の課題
これにより、完成済みの回答を見せるだけでなく、AIが実際の条件に応じて候補会社とGX手法を検討する様子を示せます。
8.現時点での注意点
CLAIは現在開発中です。
データベースに登録されていない会社や、更新されていない情報がある可能性があります。
また、料金、空車状況、船社条件、デポ返却条件、コンテナ在庫などは変動するため、AIは推測で確定的な回答を行いません。
CLAIの回答は、契約、発注、予約、船社承認などを確定するものではなく、候補会社や検討方法を見つけるための一次提案として利用します。
最終的には、各会社、船社、コンテナ所有者、荷主、関係施設などへ直接確認する必要があります。
GX案件についても、環境効果、CO₂削減量、費用、法令適合性、実施可能性などを保証するものではありません。実施前に、関係者による条件確認と効果検証が必要です。
9.物流事業者情報の登録
CLAIでは、ドレージ会社、倉庫会社、インランドデポ、コンテナヤード、CRU対応事業者などの情報を募集しています。
自社の対応港・対応地域、車両・シャーシ台数、デバン・バンニング、保税、実入り・空コンテナ保管、CRUなどの情報を、所定のExcelファイルにご入力ください。
登録内容は、NPO法人エスコットで確認したうえで、CLAIの専用データベースへ反映します。
登録手順
- 下記のExcelファイルをダウンロード
- 「事業者情報入力」シートの2行目に入力
- ファイル名に会社名を追加
- NPO法人エスコットへメール添付で返送
[物流事業者情報入力用Excelをダウンロード]
※不明な項目は空欄でも構いません。
※担当者名・担当者メールアドレスは公開しません。
※登録情報はAIによる候補企業の検索・推薦に使用しますが、受注や契約を保証するものではありません。
10.GX案件・サービスの登録
CLAIでは、物流の効率化、CO₂排出削減、資源循環、港湾混雑緩和、ドライバー負担軽減などにつながるGX案件・サービスの情報も募集しています。
企業、団体、自治体、研究機関などが保有する技術、サービス、実証案件、運用ノウハウを登録することで、物流案件の条件に応じてCLAIが関連するGX手法として提示できるようにします。
登録対象となるGX案件の例
- 空コンテナ回送を削減する仕組み
- CRUや空コンテナ返却最適化
- インランドデポや地方港の活用
- 中古パレット、梱包材、固縛資材などの再利用
- 物流資材の使用量や廃棄量を減らす技術
- 作業員やドライバーの負担を軽減する設備・手法
- トラックの走行距離や待機時間を削減する仕組み
- 遊休施設、設備、車両、資材などの共同利用
- 外来害虫の移動・拡散防止対策
- 物流分野におけるGX実証、共同研究、地域連携
主な登録項目
- GX案件・サービス名
- 分野
- 解決を目指す課題
- 技術・サービスの概要
- 適用条件
- 期待される効果
- 対象となる利用者
- 実施主体・関係先
- 必要となる協力相手
- 運用状況または開発段階
- 実証実績
- 費用や利用条件
- 必ず確認すべき事項
- 関連URL
- 相談・申込先
- 根拠資料
- 最終確認日
登録後の取扱い
登録されたGX案件は、NPO法人エスコットで内容を確認したうえで、「GX案件・サービスマスター」へ反映します。
CLAIは、利用者の物流条件と登録されたGX案件を照合し、関連性が確認できる場合に提案候補として提示します。
ただし、GX案件の登録は、CLAIによる推薦、採用、契約、実証実施、環境効果などを保証するものではありません。
[GX案件・サービス登録フォーム]
お問い合わせ・登録相談:ser.kashiwa@gmail.com
11.共同構築への参加について
CLAIは、完成したシステムを一方的に提供するだけでなく、物流事業者、荷主、船社、倉庫、デポ、自治体、研究機関などから実案件と意見を集め、実務に役立つAIへ改善していくことを目指しています。
次のような協力を募集しています。
- 匿名化した実案件による検索・提案テスト
- 物流会社・物流拠点情報の提供
- GX案件・サービス情報の提供
- AIの推薦結果に対する実務者評価
- 空コン回送削減効果の検証
- CO₂、走行距離、待機時間、作業負担などの効果測定
- 地域や企業を対象とした小規模実証
- CLAIの共同開発・共同運用
CLAIを、物流会社検索だけでなく、ドライバー不足、港湾混雑、空コン回送、CO₂排出、資源循環などの課題解決につながる物流・GX支援AIへ発展させていきます。



